ファームでのトラブルあれこれ

セカンドワーホリを目指してたくさんの方がファームへ行かれますが、行ってみたら「こんなはずではなかった」という話もよく耳にします。

一度ファームへ行ってしまったらやり直しがきかないことも多いので、十分な準備をしていきましょう。

今日は実際のトラブル一例をご紹介していきますので、同様な被害に遭わないようにご参考頂ければ幸いです。

1.トラブル事例1:給与明細を出してくれない

まずこれがないとセカンドワーホリ申請ができません。

昔はForm1263という雇用証明書にサインしてもらう必要がありましたが、以前はそのフォームにサインしてもらえないというトラブルもよくありました。

現在はこのフォームはないようですので、必ずお給料をもらっていた公的な書類が必要です。

というか、ファームに限らず給与明細を出さないこと自体が会社として違法です。

 

現金手渡しのところもあるかもしれませんが、それでもちゃんとした会社であれば必ず給与明細が出ます。

お金が入ったら、必ず給与明細を受け取りましょう。

給与明細も適当にWORDなどでつくられたものではなく、以下の内容が記載されているかを確認しましょう。

  • 何時間働いたか
  • 給料のレートが記載されているか
  • 税金が差し引かれている詳細が書いてあるか
  • スーパーアニュエーションの支払い情報が書いてあるか

少なくとも最低限この情報がなければ、正式な給与明細とは言えないでしょう。

よく内容を確認の上、不備や不明点があれば必ず雇用主へ確認しにいきましょう。

 

2.トラブル事例2:職場・滞在先のハラスメント

職場で不当な労働環境(パワハラ)や滞在先でのいじめ・セクハラもときどき起こるようです。

もちろん収穫時期はどの農家も非常に繁忙するので、早朝から夜遅くまで働くというのはよくあります。それが全員同じように働いて、必要な休憩時間が確保され、その分きちんとお給料が出れば問題ありません。

しかし、休憩もなしにひたすら働かせたり、明らかに不平等な仕事の割り振りなどをする農家も残念ながら存在するようです。

また滞在先でも異常すぎるくらいのハウスルール(髪の毛1本でも落ちていたら罵倒するなど)や、雇用主/シェアハウスオーナーからのセクハラなども過去に報告されています。

おかしいと感じたらFair Workへ相談をし、対処方法を仰ぎましょう。

さらに身の危険を感じたらすぐに警察(電話は”000”)への連絡もできるようにしておきましょう。

 

3.トラブル事例3:大きなケガをした

実際に非常に痛々しい方を目にしてしまったのですが、機械に指を挟まれ、ほぼ完全切断となってしまった方がいました。

そんな状態でファームを続けられるわけもなく、またその方もオーストラリアにこれ以上の滞在が嫌になってしまったことと、ちゃんとした治療がそのファームのエリアではできなかったため、わずか数カ月で帰国されてしまいました。

そのときも雇用主の対応にまったく誠意がなく、監督もきちんとされていない状態だったようです。ケガのあとの対応もほぼ何もなく、回りの他の従業員が助けてくれたそうです。

ファームは肉体労働ですし、様々な機械を扱うので、もちろんケガのリスクもありますが、その万が一の事態に対応するのも雇用主の責任です。

その義務を果たしていないのであれば、やはりFair Worksへ報告して対象方法を伺い、もし余力があれば弁護士を通じて治療代請求などの裁判まで行ってもよいと思います。

万が一のケガにも備えて、事前に雇用条件やケガのときの保証なども確認しておきましょう。

ちなみにセカンドワーホリとは関係ありませんが、WWOOFでファーム仕事をする場合は、WWOOF会員料金にはケガなどのための最低限の治療はカバーされる保険は含まれています。

 

4.トラブル対処のための事前準備

回りと良い関係を築き上げる努力をしよう

ちょっとストレスになるかもしれませんが、いったんよい関係を築き上げればその後は面倒なトラブルを回避しやすくなります。

日々の挨拶やコミュニケーションをよくとって、雇用主や一緒に働く従業員とも仲良くなっておきましょう。

よい関係がないと、小さなことも場合によっては大きなトラブルになり得ます。逆によい関係を保っていると、大きなトラブル小さくなることもあります。

人間関係は大事ですので、可能な限り回りの方々とうまくやっていけるように心がけましょう。

(もちろん非常識な態度・行動の人に合わせる必要はありません)

 

ファームがきちんと会社となっているか確認

いちばん手っ取り早いのはABN(オーストラリア・ビジネスナンバー)を調べましょう。もしお給料などの不正が発覚した場合は、それを使ってATOなどへ報告しましょう。

もしABNがなければ、つまり会社として経営されていないということですので、そのファームへ行くのは絶対にダメです。

 

保険内容を確認

仕事開始前に、万が一のためのケガなどの保険についてどこまで保証されるのかを確認し、足りない部分については、今の自分の海外保険などでどこまで補えるかを確認し、また必要であれば別の保険加入も検討したほうが良いでしょう。

緊急時はもちろん救急車を呼びましょう(同じく”000”です)

 

労働条件がおかしいと思ったら Fair Work

事前にどういったところなのか、Fair Work公式ホームページを見ておくとよいでしょう。

Fair Workは法的に裁く権限はないので、実際に被害にあった場合は警察へ連絡しましょう。

警察沙汰ではない場合でトラブルに決着をつける場合は裁判となりますので、あらかじめ弁護士もある程度検討をつけておくとよいかもしれません。検索するとオーストラリアにも日本語対応可能な弁護士事務所がいくつかヒットしますよ。