公的手続きは何かと面倒なものですが、その中でもいちばんやる気の出ない?ものは、この在留届でしょう。
Tax File Numberとかであれば、これがないと仕事に支障をきたしますし、オーストラリアに生活してるぜ~みたいな感があるので、結構これはやる気が出るかと思いますが、この在留届は、もちろん全部日本語ですが、入力項目も多くて、何かややこしくて面倒といえば面倒かもしれません。
今回はこの在留届にまつわるお話をご紹介していきますね。
3カ月以上海外に滞在する人は提出は「義務」です
在留届を出さなければいけないのか、出さなくてもよいのか、と聞かれれば、「出さなければなりません」
日本の旅行法によると、以下のように法律で決まっております。(外務省のホームページより)
【旅券法第16条(外国滞在の届出)】
1 旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事館の領事官に届け出なければならない。
2 また、「在留届」提出後、連絡先、転居(提出先在外公館の管轄区域外への転出も含む)や家族の移動など「在留届」の記載事項に変更があったときは「変更届」、帰国するときは「帰国届」を提出するようにしてください。
【外務省施行規則第12条(外国滞在の届出)】
1 法第16条の規定による届出は、旅券の名義人が外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在しようとするときは、遅滞なく、当該住所又は居所を管轄する領事官(当該住所又は居所を管轄する領事官がない場合には、最寄りの領事官)に別記第十四号様式による在留届一通を提出してしなければならない。
2 前項の届出をした者は、住所、居所その他の届出事項に変更を生じたときは、遅滞なく、また当該届出をした領事官の管轄区域を去るときは、事前に、その旨を当該領事官に届け出なければならない。
3 第二項の届出は、世帯ごとにすることができる。
というわけで、旅行法という法律に記載のある以上、出さなければなりませんので、面倒くさがらずにきちんと提出しましょう。
日本でも、みなさんはきちんと住民票を住んでいる地域の役所へ届け出ていますよね?
在留届も同じです。
この在留届は、海外版の住民票のようなものですので、管轄の日本総領事館へ早めに提出するようにしてくださいね。
住むということは、いろいろと公的手続きがつきものです。行政から適切にサービスを受けられるようにするためにも、こういったことは早めにしっかりと手続きしておきましょう。
提出しないとどうなるの?
提出しなかったからといって、現時点では特に罰則や罰金などがあるわけではないようです。
しかし、以下のようなことが起こり得ます。
- 災害や事件が起こった時の日本人の安否確認ができず、日本の家族へ連絡することができない。
- 在外選挙に参加できない
- 領事館での各種手続きがスムーズに行えない
- JRパスを購入できない
もしオーストラリアで大災害やテロなどが起こった場合、日本のご家族は心配して領事館へ安否確認を求めてきますよね。在留届がないと、あなたはオーストラリアにいないとみなされてしまう可能性があるということです。つまり領事館職員は何もできないということになっちゃいます。
また、オーストラリアからも選挙に参加したいのであれば、必ず在留届は必要になります。
それから、パスポート申請など、領事館での各種手続きについても、必ずといってよいほど在留届の有無を確認されます。これは僕の予想ですが、在留届があるのとないのとでは、本人確認の作業に雲泥の差が出るのではないかと思われます。
また、現時点でのルールでは、日本人の方でも10年以上連続で海外に住んでいればJRパスを購入することができます。
この「10年以上海外に住んでいる」を証明する書類として指定されているのが、「在留届の写し」というものです。これは、各総領事館へ直接行って発行してもらわなくてはならないのですが、もちろんきちんと在留届が出されていないと発行できません。
日本に残してきたご家族や大切な人たちのため、そして今後のご自身の様々な公的サービスを受けられるようにするためにも、必ず在留届を提出しましょう。
提出方法
今簡単にオンライン提出ができるようになりました。
わざわざ領事館へ行く必要はありません。
外務省のホームページから、在留届の提出ができます。
現地の各留学エージェントも、在留届の提出を促してきますし、提出をサポートしてくれますので、特に初めての海外の方は遠慮なく相談していくべきでしょう。
引っ越ししたら在留届もお引越し
日本でも引っ越ししたら、住民票も変更しますよね。
在留届も同じです。
引っ越しして住所が変わったら、必ず変更しましょう。
(でないと、領事館の職員は緊急事態の際に安否確認が困難になります。)
これもオンラインで簡単に変更することができます。
最初に決めたパスワードと登録されているEメールアドレスを使ってログインして、内容を変更するだけです。
結論は在留届は「出さないとダメ」です
確かに出さなくても何もないですが、オーストラリアだけでなく、こういった公的手続きを怠る癖がついてしまうと、思わぬところで罰則が適用されてしまうかもしれません。
ただの入力間違い程度であれば許してくれるかもしれませんが、そもそも提出していない(つまり申告していない)となると、情状酌量の余地はないと判断されてしまいかねません。
最終的にそういった不幸は自分に返ってきますし、オーストラリアにいても、日本人としての義務は果たせるように心掛けて、海外生活を安全に暮らしていきましょう。