安倍首相とモリソン首相のヴァーチャル会談

7月9日に日本の安倍首相とオーストラリアのモリソン首相によるヴァーチャル会談が行われました。

いったいどんなことが話し合われたのでしょうかね。

今日はその内容を要約してご紹介いたします。

引用1:Media Release 09 Jul 2020 Japan-Australia Leaders’ VTC Meeting, Prime Minister of Australia
引用2:日豪首脳テレビ会談共同報道発表 2020年7月9日 外務省公式ホームページより

1.コロナウイルス危機における両国の認識

やはりこの話題は外せないですね。両首相とも、コロナウイルス危機における協力体制について話し合いが行われました。

このウイルス危機を乗り越え、経済復興を進めいていくために、各国際機関を通じてグローバルな協力体制が必要であることを認識し、特にインド太平洋地域に対する課題に対応することの重要性と、主要なサプライチェーンの確保を必要性を再認識しました。

日豪間の「特別な戦略的パートナシップ」に基づき、安定したポスト・コロナの世界を築いていくことを表明しました。

 

2.貿易・投資の促進

ビクトリア州の水素エネルギーサプライチェーン・パイロットプロジェクトやカーボンリサイクルの実施を通じたエネルギー転換が、経済回復に向けた戦略の一部であり、また貿易と投資を促進するため、両首脳はRCEP協定の年内署名への誓約を再確認しました。

また、自由な市場をインド太平洋地域の内外に拡大させ、新型コロナウィルス感染症に対処するための緊急措置も的を絞り、国際法に沿って、不要な障壁を作り出したり、必要不可欠な物品・サービスの混乱を生じさせたりしないようにすることの重要性を強調しました。

さらに、今後デジタル化されたプロセスによってグローバル・サプライチェーンをより強固なものとし。WTOの改革と強化に取り組むことも言及しました。これには、経済復興を支援するための電子商取引のルール作りや紛争解決システムの改革を通じた取り組みも含まれます。

 

3.デジタル変革・情報技術革新

国際的な議論の促進を継続し、DFFT(データフリー・フローウィズトラスト:信頼性のある自由なデータ流通)を精緻化し、WTOの電子商取引に関する共同声明の下で国際的なルール作りを主導していくことを誓いました。

また、宇宙協力の促進も含み、JAXA(宇宙航空研究開発機構)とオーストラリア宇宙局との間の協力関係を確認し、今年末に予定されている南オーストラリア州への小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル帰還を強調しました。

 

4.インド太平洋地域の維持

ASEAN主導で枠組みの中心性を再確認し、ASEANとのパートナシップを深めるための努力について留意しまいた。プレミアフォーラムとしての東アジアサミットの役割を再確認するとともに、そのサミットが新型コロナウィルスのための役割を果たすことに期待し、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の原則である法の支配、主権の尊重、法摂性及び開放性が引き続き重要であることを確認しました。

2019年9月に実施した日豪米印閣僚級協議を歓迎し、4カ国間競技へのコミットメントを再確認し、首脳レベルで関与が互いに深まっていることを歓迎しています。

 

5.北朝鮮への非核化・香港の国家安全法について

北朝鮮に対し、米国との協議再開も含め、完全な非核化に向けた対話の約束を求めました。さらに、北朝鮮に対してすべての核兵器や破壊兵器の破棄を実現するための意志を改めて表明し、そして人権侵害及び虐待を終わらせ、日本人拉致問題を即時に解決するように求めました。

また、香港における国家安全法の制定についても、「一国二制度」の崩壊は香港の自治を損なうものであるとして、重大な懸念を共有しました。

 

6.原文はこちらから

まとめると、だいたい上記の事項が話し合いが行われた主な内容ですね。

以下に原文のスクリプトを掲載していますので、(抜粋したものです)参考にしてみてくださいね。
引用1:Media Release 09 Jul 2020 Japan-Australia Leaders’ VTC Meeting, Prime Minister of Australiaから抜粋しました。

日豪首脳会談