留学エージェントで勤務していた時に、セカンドワーホリを狙う方々からはよく出る質問のひとつです。
オーストラリアは農業大国ですのでどこへ行ってもファームはできるのですが、せっかく行っても仕事がなく、結局セカンドワーホリの日数を満たせずに諦めて帰ってきたという方も時々いらっしゃいます。
今回は僕の経験や今まで聞いてきたことを元に、いつ頃、どのあたりへ行けばよいのかを分析していきたいと思います。
1.まずはオーストラリアの年間の気候を把握しよう
広いオーストラリアですから、州をまたぐだけでもだいぶ気象条件が変わってきます。
農業は天候により、その収穫条件が非常に左右されやすいため、まずはオーストラリア全体の気候を把握して、どの時期に仕事がありそうかと予想してみましょう。
オーストラリアは日本と同じように四季がありますが、ご存じのように、南半球のためその順番は逆転しています。
<日本>
春:3月~5月頃
夏:6月~8月頃
秋:9月~11月頃
冬:12月~2月頃
<オーストラリア>
春:9月~11月頃
夏:12月~2月頃
秋:3月~5月頃
冬:6月~8月頃
だいたいこんな感じになるでしょう。
農業において収穫時期というのは、基本は夏です。寒かったら作物は育ちにくいですので、寒い時期のうちに土壌をつくり、種や苗植えをして、暑くなってきた頃に成長し、収穫していくという流れになります。
農家としてもいちばんの繁忙期は収穫のタイミング。ここでいかにたくさんの作物をとって出荷できるかが勝負ですので、いつもより多めにスタッフを採用して、ピッキングとパッキングをメインにどんどん出荷できる体制を整えていきます。
ということは、夏の時期に合わせて行けばよいのかというと、必ずしもそうとは限りません。
実はクイーンズランド州は、4つの季節といえども、赤道に近いので冬でも比較的暖かいのです。特にケアンズのエリアは冬の時期でも日中は25℃を超える日もよくあります。
そしてクイーンズランドは、乾季(冬頃)と雨季(夏頃)の、この大きく2つに分かれます。
クイーンズランドのファームは、実はこの乾季が収穫のピークシーズンなのです。乾季なので雨も少なく、冬といえども暖かい気候なので、この時期に収穫できるように農家は準備をしていきます。逆に雨季となる夏は雨が多いため、作物も育ちにくく外での作業もあまりできないため、夏の時期に休暇をとるところが多いです。
僕の行ってきた南オーストラリアは、冬は寒すぎるので(5~10℃前後)休暇をとり、真夏となる12月~2月を収穫時期として忙しくなります。
まずはオーストラリアの年間の気候を理解して、自分のビザの時期に合ったエリアがないかどうか検討していきましょう。
2.地域は限定せず、オーストラリア全土でファーム場所を検討しよう
もしセカンドワーホリを本当に最優先とするのであれば、チャンスがあればいつでもどこでも行くという気持ちでいるほうがよいでしょう。
オーストラリア全体の気候を把握すると、こんな仕事をするファームは、この時期はNSWはだめだけど西オーストラリアなら大丈夫そうだ。逆にこの仕事は真逆の季節だな・・・などと分析しやすくなります。
ファームの仕事のメインはやはりピッキングとパッキングですが、農業の仕事はもちろんそれだけではありません。収穫時期でなくとも、寒い時期から農家はすでに始まっており、例えば畑のメンテナンスや種植えなどの仕事で人を募集することもあります。(僕がまさにその時期に行きました。)
また、年中収穫している作物もあれば、羊や牛などの動物のお世話などは、特に季節は限定されませんよね。
どうしても作物の収穫がメインとなる仕事が圧倒的に多いので、このような調査が必要とはなってくるのですが、そこがダメでも他の別の仕事がある可能性は十分ですので、一か所にとどまらず、幅広い視野で調べていきましょう。気候の分析もある意味そのためです。
例えばタスマニアは非常に人気となるエリアですが、もともとの人口も少なく、僕も募集しているところをほとんど見たことがありません。そして、あまり西オーストラリアやノーザンテリトリーは遠いせいか、あまり人気がないようです。であれば、より確実に仕事を見つけたいのであれば、その人気のないところを狙ってみる、という具合ですかね。
3.ピッキングの仕事は作物を限定して求人は探さない!
よくイチゴファームは稼ぎが悪いとか、ズッキーニのほうが稼げるとかありますが、セカンドワーホリを最優先とするのであれば、作物のこだわりは捨てましょう。ファーム探しが非常に困難になります。
よくファーム生活の3~4か月で$8000稼いだとか聞きますが、それは本当に稀なことで、ファームで稼げることはあまりありません。もしお金稼ぎが目的であれば、たくさんの求人のある都会で働くほうがよっぽど安定しています。
農業は天候にとても左右されるものですので、前年はズッキーニで稼げたとしたも、今年は全然違う作物のほうがよく育ち、売れる、なんてこともよくあります。
セカンドワーホリを本気で目指すのであれば、作物のこだわりも捨てて、稼ぐよりも安定して仕事がもらえるところを最優先で探していくのがよいでしょう。
なので、ファーム生活が始まる前に、ある程度都会で仕事して貯金をつくっておくとよいかもしれません。
4.おさらい
では最後に、ポイントをまとめておきましょう。
・オーストラリア全体の気候を把握する
・特定の時期や場所、作物にとらわれすぎない
・セカンド/サードワーホリ目的であれば、お金稼ぎを優先せず、安定した仕事を優先する。
セカンドワーホリは、1回目のワーホリの期間内でファーム仕事を完了しなければなりません。つまり、1年のうち半分くらいはファーム生活となることもあります。時間があるようでないので、事前準備をしっかりして、無駄なく計画が立てられるようにしましょう。