日本でいう年金にあたるのがこの「スーパーアニュエーション」です。
ビザの種類にかかわらず、基本的に収入が発生すればほとんどの人がこの年金を積み立てなければなりません。
スーパーアニュエーションには、普段使っている普通預金口座とは別の銀行口座が必要です。
ワーホリの方も留学生の方もスーパーアニュエーションはかかわってきますので、基本的なことはしっかりと押さえておきましょう。
1.スーパーアニュエーションとは
日本と同様、オーストラリアにも老後のための年金の積み立てがあります。これをオーストラリアではスーパーアニュエーションと呼び(省略されて単に「スーパー」とも呼ばれます)、自分の収入に応じて毎回そのお金が積み立てされます。
このスーパーアニュエーションは、給料とは別途会社から支払われます。このスーパーアニュエーションは毎回のお給料の10.5%分が年金として雇用主から支払われ、自分のスーパーアニュエーション専用口座に積み立てられていきます。(2022年度までの場合)
これは来年度は11%、その翌年度は11.5%、そのさらに翌年度は12%となる予定のようです。(2023年3月時点)
つまり、みなさんは(通常のお給料)+(その10.5%分のお金)が別途支払われているとととになりますね。10.5%がちょっとしたボーナスのような感じですかね。日本だとお給料から天引きされたり、自分で毎回15000円くらいを払いに行かなければならないので、それを考えるとオーストラリアの年金制度は便利ですね。
スーパーアニュエーションは仕事を引退しているしていないにかかわらず、65歳になると引き出しが可能になります。それまでは原則引き出しはできません。
一時滞在者扱いとなるワーキングホリデーや学生ビザの方も、このスーパーアニュエーションは支払われます。
2.スーパーアニュエーション口座のつくり方
スーパーアニュエーション専用の銀行口座を開設する必要がありますが、もし今何も持っていない状態であれば、雇用先の会社が、取引先の銀行のスーパーアニュエーション用の口座を紹介してきますので、それで作ってくださいと総務部(Human Resources / HR、もしくは Administration / Admin)へ伝えればOKです。
もしくは、自分で好みの金融機関があれば、自分でそこへ行って口座開設をすることもできます。
僕はワーホリ時代に初めて働いたところで、そこはSuncorpという銀行と取引をしていたため、そのままSuncorpでスーパーアニュエーション口座をつくってもらいました。
一度つくったスーパーアニュエーション口座は、そのあとどの会社へ行っても同じ口座を使用することももちろん可能ですので、転職した際は、最初につくったスーパーアニュエーション口座情報を会社へ伝えて、その口座へ支払いしてもらうようにお願いしましょう。
3.帰国する前の引き出しについて
年金口座ですので、日本でもそうですが、原則定年を迎えるまではスーパーアニュエーション口座のお金を引き出すことはできません。
しかしそうは言っても、ワーホリや留学はいつかは帰国するもの。そのお金はどうなるの?と言いたくなりますよね。
その場合は、オーストラリア税務局(ATO)へ、Departing Australia Superannuation Payment (DASP)という制度を使って引き出しの申請を行います。
この申請をするには、以下の内容に該当している必要があります。
- 一時滞在のビザにてオーストラリアで労働をしている中でスーパーアニュエーションを積み立てていた
- ビザが失効している
- すでにオーストラリアを出国していて、現時点でオーストラリア滞在の有効なビザを持っていないこと
- オーストラリア国籍、ニュージーランド国籍、または永住権保持者ではないこと
以上にすべて該当していれば、引き出し申請を行うことが可能なようです。
ATOのホームページからオンライン申請するか、もしくはオーストラリアの税理士に依頼して引き出し申請を行います。
上記の条件を見る限り、帰国してからでないと申請できないようですね。
その時点でオーストラリアの銀行口座も解約している方がほとんどでしょうから、税理士に依頼して引き出し申請を行うのがよいかもしれません。
引き出されたお金は、おそらく小切手で日本へ郵送されるのではないかと思います。
(こればかりは僕もやったことがないので一概には言えませんが・・)
また、引き出しの際にたまったスーパーアニュエーションの大部分は税金として国に持っていかれるみたいですので、たぶんほとんど手元には残らないかもしれません。
日本語対応可能な税理士もたくさんいますので、帰国が近づいてきたら、一度税理士へ問い合わせてみましょう。
ウェブ検索でもいいですし、日本人向けフリーペーパーの「日豪プレス」などにも広告が掲載されていますので、参考にするとよいでしょう。