今出張で来ている日本は緊急事態宣言、そしてシドニーでは去年以来となる厳しい規制となるロックダウンが始まりました。この機会なので、双方の規制がどんなものか比べてみたいと思います。
1.ビジネス制限
NSW州:スーパーや薬局、銀行など生活に必要なものやサービスを提供するビジネス以外は営業禁止。レストランなどはテイクアウトのみ営業可能。
日本:ほぼ制限なし。
・居酒屋やレストランなどは夜8時までの営業可能。お酒の提供は午後7時まで。
・劇場や博物館、運動施設などは、法律に基づいて、人数の上限は5000人で、定員の50%以内。
・イベントを開催する場合は営業時間を午後9時。
・商業施設や遊興施設などでは、床面積の合計が1000平方メートルを超える施設に、生活必需品の販売やサービスを除いて、法律に基づいて午後8時までの営業時間の短縮。
というわけで、違いは歴然です。
NSW州ではほぼお店の営業はできません。日本では時間短縮やお酒提供の制限はあるものの、オーストラリアに比べるとほぼ普通に営業できる状況です。
2.外出制限
NSW州:(2021年7月9日時点)
・買い物や必要不可欠なサービスや仕事以外での外出は禁止。
・運動目的の外出は10km以内、各自治体区域内まで。一緒に出られるのは2人まで。
・買い物は一世帯1人だけ、1日1回まで
・来客禁止
日本:制限なし
これも違いは歴然です。日本では、外出を自粛してくださいというのはあるものの、それを制限する法律はまったくありません。
3.罰金
NSW州(2021年7月9日時点)
・マスク着用義務違反:$200
・外出禁止違反:$1000
・営業禁止違反:状況によりますが、$5000前後
日本
・飲食店のみ、時短や休業要請に従わない場合は30万円以下。(蔓延防止は20万以下)
・それ以外のビジネスや一般人に罰則はなし
自粛ができなくて我慢できないのが人間の心の弱さ、そしてこの状況下ですので、なるべくビジネスを続けなければならないというのもあります。なので、罰則がなければ人の流れは止まらないでしょう。
4.規制適用のスピード
NSW州:午前中から正午あたりに発表され、その日の午後4時~5時から即日適用。
日本:数日後
オーストラリアは早いです。すぐ話し合いが行なわれ、即適用されます。
日本は話し合いも時間がかかり、それを適用するのもまた時間がかかりすぎですね。
このあたりが対応や判断の違いが顕著に表れていますね。
正直なところ、一般人にとっては、日本の緊急事態宣言はまったく何もないのと同じです。ただの名前だけですね。
ちなみにNSW州では新規感染者が昨日は50人。先月まで0~数人だったのがこうなったわけですから、日本に比べたら少ないですが、現地ではかなり深刻な状況になっています。
僕等もこのロックダウンが終わらないことにはどうしようもないですが、1日もはやく収まって規制が解除されることを祈るばかりです。
こちらの記事作成にあたり以下のホームページ内容を引用しています。
※NSW州公式ホームページ https://www.service.nsw.gov.au/
※日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA085Q90Y1A700C2000000/
※日本放送協会(NHK) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210708/k10013128451000.html