海外で思いもよらぬ出会いってあるものですよね。
ワーホリ・留学中に運命的な出会いがあり、お付き合いするまでになるような人になることもあるでしょう。
しかし、ワーホリ・学生ビザは滞在期限が限られているため、そのままでは遅かれ早かれオーストラリアを離れなければなりません。
そんなときは、「パートナービザ」の申請を思い浮かべると思います。
お互いの意思をきちんと話し合って確認してから、早い段階で計画的に準備していきましょう。
1.まずは彼氏・彼女さんと意思確認をしましょう
なんといっても時間とお金がかかるのがこのビザの難点でもあります。
申請料金は約$8000(75~80万円相当)、そして審査結果が出るまでに平均すると2年ほどを要します。
この他にも様々な書類集めにかかる費用や、ビザ弁護士等へ依頼するなら、$10000は超える金額となるでしょう。
自分ひとりで頑張って全額を支払う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり額も額ですので、パートナーの方と一緒に負担していくカップルが多いと思います。
また、万が一途中で破局してしまっては、この努力もお金も水の泡となってしまいます。
2人の将来をきちんと話し合い、末永く人生を共に歩んでいく意思をしっかり確認して、心して準備へ取り掛かりましょう。
2.パートナービザの条件を確認
パートナーとなる方との間の関係が本物で、今後ずっと続いていくことを証明できることがこのビザのコンセプトです。
まずは基本的な条件を押さえておきましょう。
(下記の条件は変わっている可能性もありますので、必ず最新情報を移民局から入手して下さい。)
- スポンサーとなるパートナーがオーストラリア国籍、または永住権保持者であること
- スポンサーとなる人は生涯で2回しかスポンサーとなることができない。
- 2人の間の関係が本物で末永く続いていくことが証明できること。(事実婚以上であることを証明する)
目安として、12カ月以上同居していることを証明する必要があります。
結婚となっても、申請するビザカテゴリーは基本同じで、このパートナービザとなります。
つまり、偽装結婚での申請を防止するため、ただ結婚しただけでビザが有利になるというわけではありません。
逆に結婚していなくても、事実婚状態で2人の関係が本物であることが認められればよいわけです。
3.準備するもの
現在パートナービザ申請はオンラインで申請していくようになっています。
必要な書類はすべてスキャンしてアップロードにて提出となります。
それでは、その必要となるであろう書類の一例をご紹介しますね。
(状況によって不要だったり、さらに別の書類が必要になったりすることもあります。)
- 12カ月以上同居していることを証明するもの
- 2人の旅行などに行ったときの写真や航空券、ホテルの予約確認書など
- Form 888
- Form 80
- ポリスチェック
- 2人のパスポート
- パートナーがオーストラリア国籍でない場合はその人の永住権ビザの証明
- その他2人の関係が本物であることを証明できるサポート書類
結構いろいろありますね。では詳細を確認していきましょう。
(1).12カ月以上同居していることを証明する
いちばん確実なのは、不動産屋で正式に2人で部屋を借りて1年以上住むことです。
2人名義のLease Agreement (住居の契約書)にしてもらい、電気・ガス代、インターネット代もすべて2人名義にしてもらえば、これは簡単にクリアできます。
シェアハウスなどでは、あくまで個人の又貸しとなるため、その家のオーナーからリファレンスレターなどを書いてもらうしかないのですが、それは公的な書類ではないため、証明としては弱いです。パートナーの方と相談して、十分な時期を見越して不動産屋から正式に部屋を借りて一緒に住んでいくほうが証明としてはより確実です。
12カ月以上同居の証明は、ビザ申請の絶対条件ではありません。同居期間が1年未満の場合はService NSWでRelationship Certificateを作成してもらったりすることになりますが、同居が12カ月未満の状態でなぜビザ申請をしなければならないのかという理由を移民局へ説明しなければなりません。
なので、確実に最低でも12カ月以上(もちろん長いほうがよいです)はきちんと同居しておくほうが断然よいです。ワーホリビザの方は学生ビザへ切り替えるなどして、滞在延長も検討する必要があります。
こちらもご参照くださいませ⇒ なるべく長くオーストラリアに滞在するには
(2).2人の旅行などに行ったときの写真や航空券、ホテルの予約確認書など
写真については 最低でも20枚以上はあったほうがよいでしょう。
写真の内容もなんでもよいわけではなく、楽しそうに旅行している写真を厳選して提出しましょう。
(あまり無愛想なものは外しておくほうがよいです)
その他にも一緒に予約したときの航空券Eチケットや、ホテルの予約確認書なども併せて用意しましょう。
(3).Form 888
オーストラリア国籍の方、もしくは永住権保持者の中から、自分たちのことを良く知っているお知り合いの中から2人を選んで、推薦状を書いてもらいます。その書いてもらう推薦状のフォームがあり、それがForm 888と呼ばれる書類です。
移民局から連絡が行く可能性が十分にありますので、事情をしっかりと話して、いつ移民局から連絡が来ても大丈夫なように一緒に準備してもらいましょう。
自分たちの間柄が本物であることをサポートしてもらう内容をForm 888 の質問内容に沿って書いてもらいます。
書いてもらったForm 888 とその方のパスポート、及び(オーストラリア国籍でなければ)永住権のビザ証明をもらいましょう。
パスポートは原本をスキャンできればよいのですが、それが難しい場合は、 JPサイン/Certified copyのサインができる人からのサインの入ったカラーコピーを頂きましょう。
JPのサインについてはこちらから⇒ JPってたまに聞くけどいったい何?
(4).Form 80
これは自分自身のことについて移民局に提出する書類です。めちゃめちゃ長いので、心して取り掛かりましょう。
自分自身のこれまでの職歴や学歴、家族のことも記入しなければなりません。
いちばん大変なのは、過去10年間の海外渡航歴をすべて記入しなければならないこと。
過去のパスポートを見返しながら、頑張って書いていきましょう。
Form 80の枠内で収まりきらないと思いますので、その場合は後ろのページの Additional Informationの欄を利用したり、
別途ワードなどで書類を作成して提出すればOKです。
(5).ポリスチェック
オーストラリアのポリスチェックの申請方法は、こちらをご参考ください。⇒ ポリスチェックの申請ってどうする?
パートナービザの申請が完了しても、実際に審査が始まるのは半年~1年くらい先となるでしょう。
ポリスチェックの有効期限は、どの国もおおよそ1年くらいですので、ビザ申請の段階では提出しなくてもよいでしょう。
あとで出せばOKです。
でも念のため、申請の段階では「ポリスチェックは有効期限があるので、審査の段階に入ったころに後ほど提出します。」というような内容でリファレンスレターを作成して出しておくのもよいかもですね、
日本のポリスチェックは総領事館で無料で取り寄せることができますが、2~3カ月を要しますので、余裕をもって申し込みに行きましょう。
ポリスチェックは原則過去5年以内に12カ月以上滞在した国すべてが必要です。
他の国に間近5年以内でワーホリや留学をしていた場合は、その国の大使館へ問い合わせをして、取り寄せ方法を確認しましょう。
国によって、ポリスチェックの取り寄せ方法が異なります。
ちなみに僕がカナダのポリスチェックを取り寄せた事例も、ポリスチェックの申請ってどうする? の記事に掲載してありますので、参考にしてみてくださいね。
(6).その他のサポート書類
何でも出せばよいというわけではありませんが(逆に無駄な書類が多いとマイナス印象になるかもしれません)、ビザ申請後に確実に強力なサポート書類となるものがあれば、追加で提出するのがよいでしょう。例えば、ビザ申請後に結婚した場合は、Marriage Certificate を追加で提出しておきましょう。
4.申請後の流れ
パートナービザ申請後は、もし前のビザがまだ切れていなければ、そのビザが有効のままとなります。
ビザ申請が受領されれば、たいてはブリッジングビザAがついてきますので(すべてのケースではないかもです)、今のビザが切れたあとは、パートナービザ申請の結果が出るまではブリッジングビザAでオーストラリアに過ごすことになります。
このブリッジングビザAは、現在申請中のビザの結果が出るまで合法的にオーストラリアに滞在できるものですが。結果が出るまではオーストラリアを出ることができません。
(拠無い事情でやむを得ずオーストラリアを出なければならない場合は、その理由を添えてブリッジングビザBを申請する必要があります。)
ブリッジングビザAの条件は、前に所持していたビザや、今申請中のビザにより条件が変わってきますが、パートナービザの場合はブリッジングビザAでフルタイムで働くこともでき、メディケア(日本でいうと国民健康保険)の申請も可能です。(現時点においては)
ちなみに僕の場合はパートナービザではなかったので、前のビザである学生ビザの条件がそのままブリッジングビザAの就労条件などに適用されましたので、フルタイムで働くことやメディケア申請はできませんでした。
無事にビザがおりても、 その時点ではまだ「一時滞在」ビザ扱いで、永住権ではありません。
さらに約2年後に、今回のようなビザ申請手続きを行い、そのときに「永住」となるパートナービザ申請となります。
もしこの間で破局してしまった場合はパートナービザは無効となり、帰国しなければなりません。
パートナービザは毎年十何万人が申請を行い、それでもまだ何万人もの人たちが申請待ちという、膨大な申請数があるようです。
それゆえ、昔に比べると時間もかかるようになり、審査も手を抜かれるわけではなく、年々厳しさを増しています。
申請が却下され、移民局と裁判をするカップルも多いそうです。
失敗してもこの莫大なコストと時間は戻ってきませんので、自身で準備するより、専門家へお任せするほうが安心かもしれません。
その分お金もかかりますが、それでビザがおりる確率が上がるのであれば、必要経費ではないでしょうか。
一生を共にできるパートナーと、充実したオーストラリア海外生活を送れることをお祈り申し上げます。