人種のるつぼともいえる多民族国家のオーストラリアにおいては、国際結婚はごく普通のことで、夫婦ともに国籍が違うなんてことはとても一般的です。
ともあれ、僕もそのお仲間入りをしたわけですが、言語も文化も育ちもまったく違うところ同士の人が新しい一つの家族になるわけですから、楽しいこともありますし、それなりに独特の苦労もあったりします。
ときどき座談会なんかも行われているようですが、ほとんどのメディアは日本人女性をターゲットにしてインタビューされてますので、男性側はどんな感じなんだろうと・・・いろいろ調べてみましたが、日本人男性側からの国際結婚の生活についてはあまりヒットしなかったですね。
そんなわけで、今日は僕のこれまでの嫁との生活をここで振り返っていきたいと思います。
1.当時はお互い学生ビザ
国際結婚となるとまずこういった変な疑いをかけられます。
「ビザ目的じゃないの~~」
まぁ確かにこういった理由で結婚相談所などを利用する方もいらっしゃるようですが、僕等は付き合い始めた当時はまだお互いに学生ビザでした。
将来のことについては、「何とかなるでしょ」くらいにしか思っていなかったのですが、その後いろいろ話し合った結果、オーストラリアにこのまま住めればべストだが、ダメだったら日本に行こうかという話はしていました。
僕は恥ずかしながら中国語はまったくですし(今は頑張って勉強してますが)、そもそも中国で仕事が見つかるとも思えなかったので・・・
※念のため:嫁は中国人です
うちの嫁は普通に日本語は問題ないですし、日本語・英語・中国語を教えることもできますので、(日本は結構な語学ブームですからね)僕が中国に行くよりかは日本に来てもらった方がいいかなとは考えていましたし、そういう話し合いもしてはいました。
付き合い始めた当初はあまり深くはお互い考えていませんでしたが、徐々に日が経つにつれて、「これから将来どうしよう」という不安は出てきたのは確かにありましたね。
そんな中で、僕が運よく永住権を取れたので、オーストラリアに住み続ける選択肢ができたわけです。
協力していただいた方々へはとても感謝していますし、おかげでこうしてオーストラリアで結婚できて一緒に今でも住んでいられるわけですね。
2.お互いの家族について
文化の違いでまず壁にあたるのがこの問題ですね。
当初はやはり、結構悩むことも多かったです。
というのも、(今はそうでもないようですが)中国で結婚となると、いちばん重要なのは財力。新郎新婦ともに相手の家族へ家や車をプレゼントして、結婚式も結構派手にするのが習わしのようです。
今では少ない収入ながらも、嫁の協力もあり、なんとか家の物件1つと車(中古ですが)を1台購入することができましたが、もちろん永住権が取れる前まではそんな余裕はあろうはずもありません。
学校へ通いながらの仕事でしたし、学生ビザは働ける時間も制約があり、そんな中から自分の学校の学費まで工面しなければならなかったのですから・・・
うちの両親はそんなことはまったく気にせず、付き合い始めて1年経ったころに一度日本へ一緒に連れていったのですが、快く歓迎してくれました。
(ホントにほっとしました)
その後、嫁の両親がシドニーに来た時に初めてお会いしました。
その時にうまく好印象を残せたみたいでして・・・事前にいろいろと嫁も両親に頑張って僕のことを良く話してくれたのもありましたが、わざわざお土産も頂きました。
どうもこうもウチの嫁は感情が激しく、その日の気分によってすぐに怒ったりするので、それは中国の実家にいるときも同様なようです。そんな状況にもこれだけ一緒に長くいてくれる人はそうないないと思ったのかもしれません。(なんかそんな感じでした)
僕もクリスマスに一度中国へ嫁の実家へご挨拶に行きましたが、親戚の方々から歓迎を頂き、楽しく過ごすことができました。
3.喧嘩は日常茶飯事だが・・・
長く一緒に暮らしていれば当然ですが、まぁ今でもよくあります。
言葉の壁はさほどないものの、生まれも育ちも環境もまったく異なるので、お互いの不満なところもよく見つけては文句を言いあうときもあります。
破局寸前の喧嘩事も1回や2回ではないですが、それでもまぁなんとかよくここまで一緒にやってこれましたね。
結局のところ、僕は基本あまり怒るのが苦手なほうですし、争いごとも極力避けたい派なので、その場は何とか宥めて乗り切るように頑張ってはいますかね。
僕にとってはどうでもよいことも、嫁によってははっきりさせないと気が済まないこともあります。ほとんどの原因がここにありますね。
(その逆パターンもあります)
これは今でも感じることですが、ホントにこれは日本人と他の国の人たちとの考えの違いでしょう。
僕等日本人にしてみれば、「なんでこんなことに目くじら立てなきゃならないんだ」と思っても、他の国の人からすればそうではないということもあります。
おそらく同じような問題をかかえて、それでもそんな状況を一緒に乗り切っているのが、今国際結婚が続いている夫婦の方々なのでしょう。
4.約5年の同棲
お互いにすぐ家がなくなってしまったため、付き合い始めて3か月くらいで一緒に住みはじめ、それからもう5年近くが経とうとしています。
前章でご紹介しましたが、これまで多くの諍いもあり、今でもありますが、何とかこれまでやってこれてます。
個人的な意見ですが、結婚前は同棲したほうがよいかもしれません。
お互いに一緒に暮らすことで、相手の弱点や嫌なところを見つけていくのです。
もしそこで合わなくてこれ以上一緒に生活できないと思ったら別れればよいですし、それをも受け入れて一緒に生きていく覚悟ができれば結婚へ進めばよいと思います。
結婚後は一緒に一生生活を共にするわけですから、普段の相手がどんな風かをちゃんと理解して受け止めた上で結婚しないと、×が増えていく人生になるのかな・・・と感じました。
そういった意味では、同棲を始めたのが早かったかな・・なんて思ったりもしましたが、今ではよかったと思ってます。
5.結婚後も特に変わらず
特に変わったことはなく、これまで通りの生活ですね。
結婚当日はウチの家族や中国の家族の方々とビデオ電話でお祝いを頂きましたが、それからは至っていつも通りの生活です。
僕は変わらず自宅勤務・オフィス勤務を併用しながら仕事を続け、合間に家事もやり、嫁はようやく本格的な仕事が見つかって頑張って1人で車を運転して通勤してます。
そんなこんなで、僕等らは5年くらい経過した後で結婚しましたが、中には数カ月のスピード結婚をする方もいらっしゃるでしょうし、もっと時間をかけて結婚するかどうかを決める方もいらっしゃるでしょう。
人それぞれですが、国際結婚は、今までの自分の常識や価値観を覆すようなことが起こっても動じず対応できるかどうか、というところがカギになりそうです。