どんなにしっかりと見学をしても、どんなにしっかりと見極めたつもりでも、それでも何かしらのトラブルに巻き込まれてしまうときもあるでしょう。
ここでは、完全な解決策とまではいきませんが、僕の経験から、家のオーナーとトラブルが起きたときのためにできること・または僕が実際に取った行動をご紹介していきます。
1.契約前の事前の対策
〇オーナーのサイン入りの契約書面を作成してもらう
保証金(ボンド)の返還基準、家賃、その他家のルールを記載した書面を、オーナーのサイン入りで作成してもらいましょう。それが公的にどの程度通用するかはわかりませんが、少なくとも、その書面に書いていることについては合意しているということを示しやすくなります。
前回のブログにもありましたが、あくまでも個人どうしの又貸しとなりますので、公的な書面とまではいきません。が、もしNSW州にお住まいの場合は、NSW州公式ホームページに、家に住むにあたり、契約書面のテンプレートがありますので、こちらを利用するとよいでしょう。
「Standard tenancy agreement」をダウンロード
2.契約後にトラブルとなったら
実は、先ほどのホームページには、NSW州で定められた、シェアハウスも含め、人を住まわせるためのルールが記載されています。
なので、大変な作業ですが、こちらのFair Tradingの House & Propertyをよく読んで理解しておくと、オーナーが起こしているトラブルについて言及しやすくなります。
Housing & property のタブへ行くと、NSW州が定めている、家を賃貸に出すときのルールが掲載されていますし、契約書面のテンプレート「Standard tenancy agreement」もありますので、大いに活用しましょう。
もちろん、日本総領事館へ問い合わせてもよいのですが、総領事館は実際に何か行動を起こしてくれるわけではなく、アドバイスしかすることができません。
結局は自分でなんとかするしかないのが現状です。
海外へ行けば、どうしても自分の立場は不利になることが多いです。
事前の対策が明暗を分けますので、全て英語で大変かもしれませんが、まずはFair Tradingの存在と、そこにどのようなルールが書かれているのかをなるべく理解できるように努めてください。
3.ボンドのトラブルが多い
オーナーとのトラブルでもっとも多いものが、保証金(ボンド)が返されないことです。
ボンドは、居住者が器物破損を起こしたり、指定された期日前までに退去の申し出を行わなかったりしたときには返還されないことが多いですが、何も問題がなければ返されなければなりません。
ここで、オーナーの勝手な解釈で、ボンドを返さないようにする理由をつくろうとするのです。
ここで知っておくとよいのは、このボンドは、不動産屋だろうが個人だろうが、NSW州では、必ずNSW州のFair Tradingへ申請し、預けなければならないということです。
オーナーが保有していいものではありません。
しかし、個人で又貸ししている人は、そこまでの手続きをしている人はほとんどいないでしょう。
もしボンド関連で無茶苦茶な理由をつけられて、お金を返さないと言われたら、まずボンドがきちんとNSW州Fair Tradingへ申請されているか確認しましょう。
そして、ほとんどが申請されていませんから、今までそのオーナーにされた不当な扱いをすべて報告しましょう。
場合によっては(つまり必ずではないですが)、NSW州Fair Tradingから、直接そのオーナーへ連絡し、厳重注意を出してもらうことも可能です。
僕と嫁が以前住んでいたところもオーナーが頭おかしい人で、ボンドの返還についてもめて、Fair Tradingへ報告し、何度かオーナー本人へ電話してもらったこともありました。
Fair Tradingは、実際に処罰を下すことはできませんが、政府機関から連絡が来るだけで、かなりのプレッシャーになりますし、こういう行動をとったという事実をつくることは、その後もし裁判等まで発展したときに、有利になるかもしれません。
残念ながら、警察はこのようなケースで動いてくれることはほとんどありません。
僕らも警察へいろいろと資料をつくって相談に行きましたが、まったく相手にされませんでした。
最終的には、やはり裁判で決着をつけなければならないでしょう。
僕たちの場合は、Fair Tradingへの報告がかなり効いたらしく、無事に退去のときに全額のボンドが帰ってきました。
裁判となると、弁護士に頼ることになるとは思いますが、オーストラリアにも日本人弁護士はおりますので、どうしても必要であれば、最終的にはそのような専門家のお力を借りたほうがよいでしょう。