僕がこれをやるようになってから、徐々に英語がスムーズに読めるようになってきました。
初心者の方はちょっと長い文になると、どこにどういう意味があって、どうつながっていくのか、またはどこでどう切って読んでいけばよいのか(文「切る」という表現は適切でないかもしれませんが・・・)わからないという場合が多いと思います。
文章を意味の塊でとらえて英文の分解作業をやってみると、英語の構文が理解しやすくなります。
今日は英文を分解していくことについてご紹介していきます。
1.受験英語っぽいけどとても大事
この分解作業というのは、1つの英文にお馴染みの「主語(Subject)」・「述語(Verb)」・「補語(Complement)」・「目的語(Object)」と、形容詞・副詞に分けていく作業です。
まさに大学受験英語って感じがするので敬遠されがちですが、この構造が理解できないと文章も読めないし英文も書けません。
逆に これを理解してしまえば、総合的に英語力が確実に上がるといっても過言ではありません。
読むのもスムーズになるし、書けるようになる。書けるようになれば、聞き取りも話す力も飛躍的にアップします。
非常に地味な勉強、というより作業に近いですが、英語に苦手意識のある方には是非お勧めしたい勉強方法です。
2.S / V / O / C / 形容詞・副詞の役割
まずは以下のように置き換えて説明していきますね。
主語=S / 述語(動詞)= V / 補語=C / 目的語=O / 形容詞と副詞はそのまま
【主語(S)】
主語は人やモノに相当することがほとんどで、文の中心になっています。文頭にくることが多い主役です。
(例)I am running to your house
ここでは”I”がこの文の主語(S)にあたります。
【述語(動詞)(V)】
述語というよりは、動詞 なので Verb の”V”と表記します。純粋に文の動詞となる部分を探していきましょう。
(例)This is a pen
この動詞は”is” ですね。だからここでは is が”V”となります。(Be動詞なんて聞いたことありませんか?)
(例)I play soccer
ここでは”play”が動詞ですね。
【補語 (C)】
なんだかよくわかりませんよね。ようするに動詞の後に続く単語・フレーズが主語そのものを表していればそれが補語です。
多くの場合はBe動詞の後にくる単語は補語(C)のなることが多いです。
(例)He is my teacher
この”He” と”teacher”は同じことですよね。”He”は何?この文ではHeはteacherです。このteacherが補語です。
【目的語(O)】
「~をする」の「~を」に相当する役割が目的語となります。
(例)I play soccer
私は「何を」しますか?サッカーですね。このsoccerが目的語となります。
【形容詞・副詞】
文の補足のような役割ですね。manyとかsmallは形容詞、especiallyやdramaticallyなどが副詞となります。
特にこの2つがなくても文は成立します。あくまでその文の意味を誇張したり文をつないだりする役目を果たします。
(例)Especially she speaks great English
このEspeciallyがなくても、この文は意味がわかりますよね。「特に」彼女の英語は上手だと強調したいわけです。
(例)I have many pens
同じく、many がなくてもペンを持っていることはわかりますよね。オレは「たくさん」ペンを持ってるぜ!と言って、今自分が持っているペンの量を示したいわけです。
3.関係代名詞に注目
なぜ「関係代名詞」と呼ばれているのか僕も未だに謎ですが、日本の英語授業で教えられたこの関係代名詞が文章をうまく読み解くカギとなります。
that / which /whoなどが挿入され、日常生活や仕事では省略可能であれば省略されることが非常に多いです。
この関係代名詞は、前の文の更なる詳細を説明することができるスグレモノです。
(例)Employees will receive a notification from their employer that they are receiving the JobKeeper Payment.
(オーストラリア政府のホームページ Economic Response to the Coronavirusから一部を抜粋)
上記の文では赤い文字のthatが関係代名詞にあたります。
このthatの前の「notification」をthatの後の文で何のnotificationなのかを説明しています。
この文では、「従業員は自分たちの雇用主からお知らせを受け取る予定です。そのお知らせとは、JobKeeper Paymentを受け取ることについてですよ。」
という流れになります。that以下の文がなければ、何のお知らせ(notification)がお知らせされるのかがわかりませんが、このthatをつかって、そのための説明をする文を作り出しているわけです。
4.実際に分解作業をやってみよう
では、今日のインターネットニュース「The Sydney Morning Herald」のニュースの要点(Summary)を引用していますので、これを分解してみましょう。
長い記事ではなく、ポイントとして短くまとまっているだけですので、すぐできると思いますよ。
(https://www.smh.com.au の2020年6月7日の記事から一部を抜粋)
(例題1)
NSW recorded zero new cases for the 11th consecutive day and Victoria recorded four cases, including one linked to a McDonald’s cluster and three returned travellers
このように分解してみると、とてもシンプルに読解できませんか?
これはニュース記事の文です。一見難しそうでも、よくよくこんな風に見ると、そんなに大変ではなさそうに見えてきませんか。
意味はこのようになります。
NSW州は11日連続で新規感染者が確認されず、ビクトリア州ではマクドナルドでの集団感染のうちの1人と旅行帰りの3名である4名の感染者が確認された。
それではもう1つやってみましょう。
(例題)
・The World Health Organisation updated their guidelines and endorsed the use of face masks by the public to reduce transmission of COVID-19
このように分解して、そのまま頭から意味を訳していけばよいのです。
「WHO(世界保健機関)はガイドラインを更新した。それはマスク着用を促すこと。人々への。コロナウィルス感染を減らすため」
この文の分解が頭の中でできるようになると、こういう訳文が浮かびます。
ちゃんと訳すと意味はこうなりますね。
WHO(世界保健機関)はガイドラインを更新し、コロナウィルス感染を減らすため人々へのマスク着用を促した。
この2つのニュースの文の中に、それほど難解な英単語はないと思います。
つまり英文が読めないのは、単語を知らないというよりかは、文の構造を知らないだけという場合が多いです。
この構造をすばやくつかむことが英語上達の第一歩です。
5.英語の授業の予習はまさにこれです
授業の予習は英文に ちょこちょこっと意味を書くのは意味がないです。
まさに このように英文の分解をやるのが予習です。
僕はこれを予備校時代の英語の先生から非常に細かく教わりました。
その先生のこの教え方がとても上手で、おかげで今のように海外で不自由なく仕事できるまでに何とかなりました。
この作業に慣れていくと、いつのまにか、すばやく英文の意味が頭に入ってくるようになります。
意味が早く頭に入ればもちろん読解問題も早くできますし、英作文もどんどん書けるようになります。
英作文が書ける=スピーキングもできますね。
この英文の分解はまさに英語の基礎ともいえる勉強です。
まだ英語を読むのが苦手という方は、是非試してみてくださいね!