オーストラリア州境クリスマスまでに解除の方向性

先日のニュースでオーストラリア首相のスコット・モリソン氏は、オーストラリア国内の州境の閉鎖をクリスマスの時期までに解除する方向性を示しました。

1.海外のクリスマスは家族ぐるみ

クリスマスというと、日本ではカップルのための日というイメージがありますが、海外では、オーストラリアもそうですが、家族や親せきと一緒にのんびり休暇を過ごす時という位置づけです。

日本ではクリスマスになると各お店ともクリスマス商戦が繰り広げられますが、オーストラリアでは12月25日は祝日で、しかもこの日ばかりは普通のお店やスーパーマーケットすらお休みとなります。

12月後半になると、クリスマスを家族で楽しく過ごすために連日買い物客でスーパーはごった返し状態です。(クリスマス当日は買い物できないですからね)

そして翌日の12月26日はボクシングデーといって、一般企業はお休みですが、お店によっては早朝5時くらいからお店を開けて大幅割引セールを開始します。

このボクシングデーはBOXING Dayと書きますが、日本でいうお歳暮みたいなもので、この日はものすごい買い物客で各ショッピングモールはあふれかえります。

今年の状況を考えると、オーストラリア政府はさすがにそういった状況にしないようにすると思いますが、毎年ものすごい買い物客ですね。それもオーストラリア人の楽しみでもあり、家族や親戚と過ごす束の間の休息ですので、それまでには規制を解除したいという思いがモリソン氏にはあるようです。

 

2.VIC州も感染拡大が落ち着き始めている

連日400~500人の凄まじいコロナ第2波を受けていたVIC州ですが、現在はようやく2桁台となり、その数も徐々に減ってきています。僕の住むNSW州も、1週間に10数件、時には1週間で1桁台の新規感染者というところまで落ち着いてきました。

この状況を考慮し、少しでも経済活動を復活できるように、その準備を今から進めていかなければならないとモリソン氏は議会で述べました。

現在歴史史上最悪とまで言われているオーストラリア経済の落ち込みに、日に日に失業する人は増え、このままではオーストラリアが破綻しそうな感じは一般市民の僕らにも伝わってくるほどです。

特にオーストラリアは海外からの観光と留学生・ビジネスが大部分の収益であるため、その影響もはかり知れません。

 

3.他州知事の反応

モリソン氏の発言とは裏腹に、各州知事の反応は反対気味の声が上がっています。

QLD州知事は、少なくとも9月中はNSW州とVIC州は閉じたままにすると宣言し、WA州知事もまだまだ州境閉鎖を長期間実施しなければならないと述べています。

TAS州も、最低でも12月1日までは州境を開けないと宣言しています。

この調子では、よほど劇的な改善ぶりが見られない限り、オーストラリアの州内ですら、今の封鎖状態がまだまだ続きそうです。

 

しかしながら、このままではお役人さんたちはよいですが、僕ら一般市民は各家庭の生活が破綻への道をたどっていく一方ですので、簡単に州境・国境を開けられないのは十分にわかりますが、少しでも早く開けても大丈夫となるように、その準備はしっかりと考えてほしいものです。