田舎に行くと英語も変わる

日本でも関東・関西・四国・沖縄・北海道と、同じ日本語でも地域にとって独特の表現や訛りがあるように、同じ英語圏でも国が変われば、そして同じオーストラリアでも地域が変われば、その英語表現もまた千差万別。カナダで1年過ごした後でオーストラリアへ来ましたが、初めて聞いた表現もたくさんありました。

オーストラリアへきてから7年が経過しましたが、きっとこれからも知らない表現が次々と出てくることでしょう。

今日は僕がオーストラリアへきてから初めて聞いた、きっとオーストラリア独特なんだろうなぁ・・と感じた表現をご紹介しますね。

 

1.Good day (グッダイ)はもう古い?

たぶん日本でオーストラリアについて学ぶ機会があるときは、この表現が必ずと言っていいほど出てくると思います。

オージー独特の挨拶ともいえるこのGood Day (G’ Day)。

僕もオーストラリアへ来る前は、この挨拶が頻繁に使われるものを思っていました。

が、シドニーに来てからは、この挨拶は一回も聞いたことがありません。

7年ここに住んでいますが、ホントに一回も聞いたことないですよ。

あれ、今はもうこんな挨拶は使われていないのかな・・・時代が変われば言葉も変わる?

その読みは正解でした。

学生ビザ時代に通っていた学校で、ちょっと挨拶の話があったのですが、昔はよく

“G’day man, how are ya?”

なんてよく気軽に挨拶を交わしたもんだそうですが、

今この挨拶をそこそこの都会以上の地域ですると、結構大爆笑されるみたいですよ (笑)

 

かと言って、この挨拶がまったく使われないわけではありません。

おそらく田舎へいけば、まだまだこの挨拶は現役のようです。

僕がファーム生活を送っていた時は、朝は僕は Good Morning! なのですが、そこのお父さんは必ず “Good Day” で挨拶してくるのですよ。

途中から僕もそれに合わせて Good Day で挨拶を返すようにしました。

でも、ホントに都会ではこの挨拶は聞かないので、皆さんはとりあえず普通の挨拶のHello  / Good morning などで対応するのが無難でしょう。

でも、Good dayを日常的に、普通に、誇りをもって使っている地域の方々もいらっしゃいますので、真面目に挨拶を返してあげましょう。

 

 

2.ウィフィ!?

でも本当に、オーストラリアでもファームのような田舎のエリアと都会では、こうも違うのか・・・もう一つ気になることがありまして、皆さんは、WiFi を普通は「ワイファイ」と言いますよね。もちろんオーストラリアでもこういう発音ですが、これのファーム生活中なのですが、たまにこれを

「ウィフィ」

と発音する人がいるのですよ。

えっ、もしかして、英語ではウィフィと言うのか!?

いやいや、カナダでも「ワイファイ」で通っていたし、シドニーでも「ワイファイ」だったよな・・・これもオージーイングリッシュ?

最初にファームで御世話になった農家の方に、

“Did you bring your own ウィフィ?

って聞かれたのですよ。

えっ?ウィフィって発音するの?マジ!?

半信半疑だったので、その場はとりあえず「インターネット」と言ってごまかしてました。

そのお母さん、結構コンピュータが苦手なようでして・・・他のみんなはきちんと「ワイファイ」と発音していたので、ちょっと安心しました。

そのお母さんも、ときどき WiFi をどう発音するのか迷ってしまうそうです。

そんなこともあるもんなんですね。

 

3.コーヒーは「ロングブラック」or「ショートブラック」

普通に”Black coffee”(ブラックコーヒー)といえば、その名の通り、ブラックコーヒーがカナダでは出てくるのですが、これはいちばんはじめにオーストラリアに降り立った時に、ちょっと困った話です。

僕はコーヒーはブラック派で、基本的には砂糖もミルクも入れないので、カフェではいつもブラックコーヒーを注文します。

で、ケアンズの空港で朝一のコーヒーを飲みたくて注文したのです。

“Can I get a black coffee?”

と聞いたのですよ。そしたら、

Long black?”

と聞き返されました。

は?ろんぐぶらっく?長いブラックコーヒーってなんじゃ?
もしかして、サイズのことかな?長いサイズと短いサイズがあって、きっと「大きいサイズのコーヒーでいいかい?」って聞いているに違いない!

で、僕は、そのまま普通に Yes please と答えて注文したのです。

出てきたのは、やはり予想通りの普通のブラックコーヒーでした。

その後メニューをよく見ると、「Long Black」はあるけど「Short Black」はないのですよ。しかもコーヒーのサイズはきちんと Regular / Largeとあったし・・・

でもセブンイレブンのコーヒーにはちゃんと Short Blackがあるのですよ。

で、調べてみると・・・

〇ロングブラックはエスプレッソをお湯で割ったもの

〇ショートブラックはエスプレッソのようなもの

だそうです。

つまり、少ない量で濃い味と香りを楽しみたいならショートブラック、普通のブラックコーヒーがよいなら、ロングブラックということですかね。

カフェ文化が強いオーストラリアならではかもしれません。

 

4.食事の呼び方

もちろん、普通は

・Breakfast / Lunch / Dinner

です!(休日で起きるのが遅い場合はBranch ブランチ ですね)

これは変えようがないだろう!

という常識が簡単に覆るのが海外です。

ファーム生活のときに、午前11時くらいでしょうか。一緒に畑仕事していたときに、そのお母さんから、

「ちょっとDinner の準備をしてくるね」

え、今から夕食の準備するの?早くね?ってか昼食はどーすんの

結局、昼の1時くらいに普通に昼食を食べて、で、午後の仕事して、普通に夕方6時くらいから夕食の準備をして、夜7時に夕食食べた、という至って普通な流れでした。

で今度は、こんな会話を聞きました。やはり夕方6時くらいですかね。

「さて、そろそろ Tea にするかな」

Tea!? これからお茶休憩タイムですか!?いやいや、普通に夕飯にすればいいじゃん。

で、夜7時くらいに出てきたのが、普通の夕食でした。

はい?なんですかTeaって・・・

つまりこういうことみたいですね。

〇朝ごはん⇒ Breakfast (これはそのまま)
〇昼ごはん⇒ Dinner
〇夜ごはん⇒ Tea

これが、この地域の食事の呼び方だそうです。

ではなぜ昼ごはんが Dinner で、夜が Tea なのでしょうか?

いろいろと諸説あるようですが、僕が聞いたところによると、このような理由だそうです。

【お昼ごはん】

普通は、お昼ご飯がいちばん量が多いもの、という概念があり、メインとなる食事を Dinner と呼ぶのだそうです。それで昼ご飯を Lunch ではなく、Dinner と呼んでいるのだとか。

【夜ごはん】

夜はもう寝るだけなので、簡単な食事で済ませるという概念があり、軽くちょっとお茶と軽食でおしまい、という文化から、Tea と呼んでいるのだそうです。

とはいっても、昼ごはんより Tea の夜ごはんが豪華なことはよくありましたけどね。

じゃあランチはどこいったーーー

そうです。どこいったんでしょうね。そもそもランチという概念がないのかもしれませんね。

オーストラリアも昔はイギリスの植民地だったわけですから、イギリス史を辿っていけば、その答えが見つかるかもしれません。