オーストラリアと日本のCOVID19対応の違い

YAHOOニュースなどでしか日本の状況を知ることができませんが、そのようなメディアを見る限り、日本とオーストラリア間でコロナウィルスの認識についてだいぶ温度差があるようです。

日常生活にどのような差があるのかを今日は比べてみたいと思います。

1.国のトップの考え方の違い

オーストラリアの首相、そして各州の州知事はコロナウィルス拡散の危機を非常に重く受け止めており、少しでも感染者が増えようものならすぐにホットスポットとしてそのエリアを封鎖し、感染経路の確認を徹底します。

数週間前に少しずつ感染者が増え始めた時点ですでに第2波が来たと捉え、ただちに日常生活の再規制の検討を始めました。

すぐに各州知事と首相、コロナ専門チームを話し合いを進め、かなり前から州境の移動を制限し始めました。

とにかくアクションが早く、僕らも日本総領事館からほぼ毎日のようにコロナウィルス対策の生活規制の案内メールが来ます。

 

対する日本は、状況はオーストラリアと比較すると圧倒的に状況は悪いにもかかわらず、ようやく各都道府県知事が緊急事態宣言の検討を始めたといったところでしょうか。

少しずつ各お店へ営業時間の短縮営業などの要請を始めたところだと思いますが、これといった抜本策は今のところはなさそうですね。

安倍首相や各都道府県知事の様子を見る限りでは、あまり危機感は感じられないようですが、日本にお住まいの皆様は実際どのように感じられますか?

 

日本ではその法律上、生活の規制を強制的に国が制限するというのはできないようですので、あくまでも日本国民にその対応をゆだねるしかありません。

オーストラリアやその他の海外では、このような事態は国が私たちの生活を制限し、警察の巡回も強化されます、違反すれば罰金です。

 

2.感染者が判明すると・・・その執念はすごい

まずその人がいつ何時にどこで何をしていたのかを確認し、その時間その人と接触した可能性がある人やお店に可能な限り全部に連絡が行きます。

電話で体調の確認を行い、すぐさまPCR検査を受けるように言われ、さらに即座に14日間の自己隔離を求められます。

このCOVID19専門チームの執念は本当にすごいですね。これが感染の爆発を最小限とはまではいかなくても、深刻すぎる事態にならないようになっているのですね。

 

3.生活規制の違い

日本の自粛要請の内容は非常にざっくばらんな感じがします。

お店の営業短縮の時間だけで、特に営業方法や人数制限など、具体的な指示がありませんよね。

本当に各店主の判断に任せっきりという印象です。

なので各お店も混乱し、どうしたらよいかわからない・簡単に営業を止めたくはないという思いが出てくるのだと思います。

もう少し具体的に何をどうしてほしいかを言ってあげるとよいと思うのですが・・

オーストラリアで生活規制が発表されると、非常にその内容が細かいです。
今まさにVIC 州が再ロックダウン中ですが、その内容はというと・・・

<以下の理由以外で外出は禁止>
・買い物
・医療や人道的な理由
・運動
・在宅ワーク不可な場合の通勤

そしてその内容もさらに細分化され、

・運動は自宅から5km以内まで1時間以内まで
・買い物は1日1回まで。原則最寄りのスーパーへしか行ってはいけない。

警察が巡回を強化しているので、上記以外の理由で外出したと判断されれば$1000以上の罰金をくらいます。

またビジネスもかなり制限され、当然ですがレストランや居酒屋は閉鎖し、テイクアウト(オーストラリアではテイクアウェイ Take-awayと言われますが)のみの販売しか認められていません。

NSW州ではレストランの通常営業はまだOK(8月7日時点)ですが、一度に入れる人数は最大10人までと決められています。

厳しいですが、何をどうすればよいのかはわかりやすいですし、ここまで言われるとかえってこちらも今後どうすればよいのかを計画が立てやすいですよね。

日本もたとえ強制できなくとも、何をどう自粛してほしいのかを明確にしてあげるとよいと思いますけど・・・

 

4.生活保障の違い

ロックダウンが始まれば、当然収入も激減します。

オーストラリアではJobKeeper制度がまだ続いてますが、各州とも独自の経済補助政策を出してくれているのがとても助かりますね。

VIC州ではこの再ロックダウンで、州独自が別途経済援助を州民に対して行っています。

NSW州も、オーストラリアの国としては留学生への援助はまったくないですが、州独自で滞在先の保証などを行っております。

そしてその決定と実行もとてもスピーディですね。

法案が決まってから、ほぼ即座にそれが実行されていっている印象があります。

日本ではいまだに10万円の給付金が全員にわたってはいないようですね。
しかもその10万円一回きりもらっても、ホントにその場しのぎだけで、あまり意味はないような気もするのですが。。。

オーストラリアのJobKeeper制度は5月からスタートし、9月末までは1カ月で$3000、それ以降は12月まで1カ月で$2400、1月~3月まで$2000と、徐々に金額は減ってきてはいますが、長期にわたって国からお金が入ることになっています。

**上記金額は所得税差し引き前の金額でフルタイム勤務者のみ。パートタイムの方などは金額が異なります。

日本はその場しのぎの一回こっきり、オーストラリアは長期での支援。

結構な違いですね。。

 

皆様十分にご自愛くださいませ。